★事務所だより2025年3月号★

いつもお世話になっております。
春の陽気が待ち遠しい今日この頃、いかがお過ごしですか。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
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◆ 2025年3月の税務
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3月10日
●2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
3月17日
●前年分贈与税の申告(申告期間:2月3日から3月17日まで)
●前年分所得税の確定申告(申告期間:2月17日から3月17日まで)
●所得税確定損失申告書の提出
●前年分所得税の総収入金額報告書の提出
●確定申告税額の延納の届出書の提出(延納期限:6月2日)
●個人の青色申告の承認申請(1月16日以後新規業務開始の場合は、その業務開始日から2ヶ月以内)
●個人の道府県民税・市町村民税・事業税(事業所税)の申告
3月31日
●個人事業者の前年分の消費税・地方消費税の確定申告
●1月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人及び個人事業者(前年12月分)の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者(前年12月分及び当年1月分)の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●7月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の4月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の12月、1月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(11月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
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◆ 企業年金・個人年金
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◆日本の年金制度は3階建て
 現在の年金制度は1・2階は公的年金で老後生活の基本を支え、3階の企業年金、個人年金と合わせて、多様な希望、ニーズに対応しています。企業年金、個人年金の種類や税制の優遇措置について多岐に分かれています。
◆1.企業年金と個人年金
 企業が従業員のために実施する「企業年金」は退職金の分割とも言える外部積み立ての退職給付制度として発展してきました。
一方、個人が自ら加入する「個人年金」は公的年金に加えて老後の所得を確保、補填したい人の自助努力を支援する制度です。
 2023年の常用労働者30人以上の企業の調査で退職年金制度がある23.2%、退職一時金のみは51.7%、退職給付制度がないは24.8%でした。
 税法上の優遇制度があり、拠出時と運用時は原則非課税です。年金として受給する場合は「公的年金にかかる雑所得」として「公的年金等控除」を差し引いた額が所得税・住民税の課税対象です。
一時金として受給する場合は「退職手当等」に該当し、勤続年数に応じた「退職所得控除」を差し引いた額の2分の1が課税対象です。
◆2.「確定給付型と」「確定拠出型」
 企業年金・個人年金のうち
「確定給付型」は加入期間などに基づいてあらかじめ給付の算定方法が決まっています。
加入者が高齢期の生活設計を立てやすい反面、運用状況の悪化などで資産の積み立て不足が発生する場合があり、その時は事業主が掛金を拠出して不足分を埋める必要があります。
 「確定拠出型」はあらかじめ定められた拠出額とその運用収益との合計額を基に個人別に年金給付をします。
加入者個々人が運用方法を選択し、運用結果は個人に帰着し、額が決定されます。
◆3.確定給付型年金
 確定給付型企業年金(DB)は適格退職年金や厚生年金基金を承継した給付建ての企業年金制度として2001年創設されました。
事業主が掛金を拠出し事業主掛金は全額非課税ですが、加入者掛金は民間の個人年金と同じ扱いで他の生命保険料と合算して年4万円を上限に生命保険料控除となります。
 また、厚生年金基金は厚生年金の一部を代行していましたが、多くは他の制度へ移行が進んでいます。
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◆ 令和7年度税制改正大綱 個人所得課税編(国会の審議状況によって大幅に変更される可能性がありますので、ご注意ください)
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◆基礎控除と給与所得控除は10万円引上げ
 物価上昇局面の税負担調整、就業調整への対応措置として基礎控除は合計所得金額2,350万円以下の控除額を10万円引き上げて58万円に、給与所得控除は55万円の最低保障額を65万円に引き上げ、給与収入123万円まで課税されなくなります。令和7年分以後の所得税に適用されます。
◆大学生年代の親族の扶養控除枠を拡大
 大学生アルバイトの就業調整に対応して19歳以上23歳未満の子等で合計所得金額123万円以下、控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合、給与収入150万円までは63万円を控除し、さらに給与収入が増えると段階的に控除額を削減する特定親族特別控除(仮称)が、令和7年分以後の所得税に適用されます。
◆扶養控除、同一生計配偶者の要件も引上げ
 基礎控除の引上げに伴い、人的控除が見直されます。扶養親族、同一生計配偶者の合計所得金額の要件は58万円以下となり、現行48万円から10万円引き上げられます。
 個人住民税も給与所得控除の見直し、特定親族特別控除(仮称)の創設、扶養親族、同一生計配偶者の合計所得金額の要件等を改正し、令和8年分から適用されます。
◆iDeCoの拠出限度額を引上げ
 iDeCoは加入年齢を70歳未満に引き上げ、拠出限度額は自営業者等は月額7.5万円(現行:月額6.8万円)、企業年金加入者は月額6.2万円から確定給付企業年金の掛金額及び企業型確定拠出年金の掛金額を控除した額(現行:月額2.0万円)、企業年金未加入者は月額6.2万円(現行:月額2.3万円)に引き上げ、全額所得控除されます。
◆子育て世帯への支援措置を1年継続・拡充
①住宅ローン控除
 住宅ローン借入限度額の上乗せ措置(認定住宅5,000万円、ZEH水準省エネ住宅4,500万円、省エネ基準適合住宅4,000万円)、および床面積要件の緩和措置(合計所得金額1,000万円以下、40㎡以上)は令和7年限り適用されます。
②住宅リフォーム税制(継続)
 工事費用相当額(上限250万円)の10%相当額を所得税額から控除する措置が令和7年限り適用されます。
③生命保険料控除(拡充)
 新生命保険料に係る一般生命保険料控除は、23歳未満の扶養親族のある場合、令和8年分の適用限度額を6万円(現行4万円)に引き上げます(合計適用限度額12万円)。