★事務所だより2020年10月号★

いつもお世話になっております。
秋の気配も次第に濃くなり、穏やかな季節になってきました。
いかがお過ごしでしょうか。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
 

2020年10月の税務

10/12
●9月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
10/15
●特別農業所得者への予定納税基準額等の通知
11/2
●8月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●2月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、5月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の7月、8月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(6月決算法人は2か月分)<消費税・地方消費税>
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第3期分)(10月中において市町村の条例で定める日)

《コラム》進む働き方改革 制度導入のポイントは

 
◆多様な働き方ができる時代に
 
 時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができるテレワークや、総勤務時間を変えずにラッシュアワーを避けて通勤をする時差出勤、社員が自由に出勤・退勤時間を決められるフレックスタイム制の導入など、新しい働き方が広がってきました。
 
 これらは、近年政府が推し進めてきた働き方改革の一環として、労働生産性の向上や長時間労働の是正を目標に、大手企業を中心に浸透してきていましたが、昨今の新型コロナウイルスの影響により、より多くの企業でこれまでの働き方を大幅に見直す事態となり、急速に導入が進んでいます。
 
◆利点も多いが、気になる部分も
 
 例えば、会社に出社せずに自宅や外勤先、サテライトオフィス等からインターネットを通じて、会社のサーバーにあるファイルにアクセスしたり、仕事の電話に対応したりできるテレワーク。
 
 営業で外回りの後、事務仕事をしに会社に戻る必要がなくなったり、育児や介護を担う労働者が在宅勤務をすることで通勤時間を有効に活用できたりするなど時間にゆとりを持たせた勤務を実現できます。
 
 その一方で、社員同士のコミュニケーション不足や、仕事と仕事以外のメリハリをつけにくい、長時間労働になりやすい、勤務時間管理や在席確認が難しい、情報漏洩のリスクが上がる等の、気になる部分もあります。
 
 時差出勤やフレックスタイム制においても、勤務開始や終了時刻を調整することで、私生活との両立がしやすくなるという利点があるのですが、一方で取引先や他部署との連携業務において時間の設定が難しいことや、急な会議や電話に応対できない等、社員が異なる時間に勤務することによるデメリットもあります。
 
◆企業側が注意すること
 
 大切なことは、制度に関する就業規則を整備し、適用する社員の範囲を明確に定め、勤務時間管理をしっかり行うことです。
 
 勤怠システムを活用するのも良いでしょう。過重労働や反対にルーズな勤務状況とならないよう、社員本人の時間管理意識も大切です。ワークライフバランスを意識した、働きやすい環境作りをしたいですね。

《コラム》災害を受けた時の損失の取扱い

 
◆今年も多い豪雨災害
 
 今年も日本各地で豪雨によって被害を受けている地域が多くあります。被害に遭われた方に、お見舞いを申し上げます。
 
 災害の多い日本には、災害被災時の税の特別措置も数多く用意されています。今回は法人の災害被災時に損金となるものについて、横断的に見ていきたいと思います。
 
◆災害関連の損失・費用はだいたい損金に
 
 災害が発生したことにより発生した損失や費用は、損金となります。
1. 棚卸資産や固定資産などの資産が災害により滅失・損壊した場合の損失
2. 破損した資産の取り壊し・除去のための費用
3. 土砂等の除去費用・被災資産の原状回復費用
4. 被災前の効用を維持するための補強工事等の費用
5. 従業員等に対する災害見舞金品
6. 災害見舞金に充てるために同業団体等へ拠出する分担金等
7. 取引先に対する災害見舞金等
8. 災害を受けた取引先への売掛債権等の免除・融資の条件変更による利息の低減分
9. 自社製品等の被災者に対する提供
 
 上記はすべて損金算入をしてかまわないとされています。なお、被災資産について支出する費用で、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合は、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理も認められます。
 
 また、青色申告書を提出できない事業年度であっても災害による損失金の繰越しは可能ですし、災害損失欠損金は繰戻し還付も可能となります(白色は前1年、青色は前2年)。
 
◆防災設備投資に助成もあります
 
 令和元年(平成31年)税制改正において、中小企業が行う災害への事前対策を強化するために、防災・減災設備を取得した場合に、取得価額の20%の特別償却が受けられる制度があります(現行制度の適用期限は令和2年度末まで)。
 災害で受ける被害を少しでも減らすように、日ごろの備えは重要です。