★事務所だより2024年3月号★
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◆ 2024年3月の税務
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3月11日
●2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
3月15日
●前年分贈与税の申告(申告期間:2月1日から3月15日まで)
●前年分所得税の確定申告(申告期間:2月16日から3月15日まで)
●所得税確定損失申告書の提出
●前年分所得税の総収入金額報告書の提出
●確定申告税額の延納の届出書の提出(延納期限:5月31日)
●個人の青色申告の承認申請(1月16日以後新規業務開始の場合は、その業務開始日から2ヶ月以内)
●個人の道府県民税・市町村民税・事業税(事業所税)の申告
4月1日
●個人事業者の前年分の消費税・地方消費税の確定申告
●1月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人及び個人事業者(前年12月分)の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者(前年12月分及び当年1月分)の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●7月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の4月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の12月、1月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(11月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
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◆ 親の借地の底地部分を子供が取得したとき
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親が高齢になり、1人暮らしを始めると、子供としては親の介護に加え、実家の整理が気になるところです。敷地が借地である場合には、借地権の売却を考えるかもしれません。
◆単独での売却は難しい
しかし、地主に借地権を買い取ってほしいと依頼すると、反対に借地人の側で土地を買い取ってもらいたいと言われてしまうかもしれません。
そこで、借地人の子供が土地(底地)を地主から買い取り、親の借地権と一緒に売却する方法があります。もともと借地となっている土地を買ってくれる人は、通常望めません。地主も単独では底地を買ってくれる人を見つけられません。権利の制約されている土地は、そもそも取得の対象から敬遠されてしまうことでしょう。
◆贈与課税に注意!
子供が土地を地主から買い取って取得した場合、それまで親は地主に地代を支払っていても、土地が子供の所有となった場合、通常、親子間で地代を授受することはなくなります。この時、親の借地権は子供に移転してしまうので、親から子供への贈与となり、贈与課税を受ける可能性が生じます。
◆税務署に申出書を提出して贈与税を回避
そこで贈与課税を回避するため、子供の住所地の所轄税務署長に、引続き借地権者は親であるとして「借地権者の地位に変更のない旨の申出書」を、借地権者の親と土地の所有者である子供の連署で提出することができます。この場合、借地権は親に残り、贈与課税の問題は発生せず、将来、親の財産を相続するときに、改めて親の建物と借地権が相続財産となって相続税が課税されます。
◆不動産仲介業者に売却を依頼する方法も
ところで、上記のように、子供が借地のもととなる土地を地主から取得しなくても、借地人と地主が借地権と土地を共同で売却する方法もあります。買主は所有権を取得できるので売却しやすくなります。もっとも、自分たちだけで地主と交渉し、買主を探すのは困難ですので、不動産仲介業者に依頼し、地主に共同売却を提案してもらい、不動産仲介業者の販売ルートを活用して、売却してもらうこともできます。
ただし、買取り転売業者が買主となるときは、安く買いたたかれてしまうリスクを負いますので、業者の選定には注意が必要です。
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◆ 従業員の旅費交通費精算と適格請求書(=インボイス)の保存
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◆旅費交通費にかかる3つのインボイス特例
適格請求書等保存方式の下では、請求書等の受領が困難な理由がある場合を除き、インボイスの保存が仕入税額控除の要件となっています。困難なものの中で、普段の経理実務で発生する旅費交通費に関するものに、下記の3つの特例があります。
(1)公共交通機関特例
3万円未満の公共交通機関(船舶、バスまたは鉄道)での旅客運送では、仕入側の会社は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。適用には、帳簿に「公共交通機関特例」等との記載が必要です。
(2)入場券等回収特例
3万円以上の公共交通機関利用で簡易請求書の記載事項が記載された乗車券が回収される場合は、通常の記載事項に加え、帳簿に「入場券等回収特例」等と記載のほか、公共交通機関の住所等の記載も必要です。
(3)出張旅費特例
会社が従業員に出張旅費等を支給する場合には、「その旅行に通常必要であると認められる部分」の金額は、帳簿のみの保存で仕入税額控除OKです。適用するには、通常の記載事項に加え、帳簿に「出張旅費等特例」などと記載することが必要となります。
◆旅費規程に基づく立替経費精算書での精算
複雑にすると混乱しますので、これまで社内で使ってきた経費精算システムを踏襲し、新たに必要となった事項のみ追加する方が良いでしょう。仕入れの相手先名の横にインボイス番号を記載する欄を設け、近郊の公共交通機関利用の場合はそこに「公共交通機関特例」と記載するなどです。
課税仕入れの相手方を従業員とし、従業員が個人で取得した適格請求書まで辿れるようにしておけば、旅費交通費精算のインボイス保存の問題に対処できます。各社で処理フローを想定し、従業員に周知して、早いうちに慣れてもらいましょう。
◆会計システムのエラーメッセージへの対応
会計ソフトのインボイス制度への対応で、「課税仕入れとしていますが登録事業者ではありません」や「取引金額が1万円未満のため全額仕入控除できます(少額特例対象会社)」などのエラーメッセージでその都度作業が止まってしまうことがあります。それでなくともインボイス番号の確認作業で経理担当の作業量は大幅に増えています。
各社で環境は違いますが、自社のエラーメッセージ対応策を見つけ、無駄な時間をできるだけ回避するようにしましょう。